さて今回は「CRM」の続きです。
その2:CRMがもたらす効果と現場でありがちな課題
「CRMを導入すると一体どういう効果がもたらされるのか?」一方で「現場ではどういうことがよく起きるのか?」そんなお話をさせていただこうと思います。
CRMがもたらす効果
さてCRMを導入すると一体どういう効果がもたらされるのか?をお話する前にCRM導入前の現場あるあるをお話させていただきます。
(結果的にCRMを導入すると現場あるあるが解決される・・・に繋がりますので)
CRM導入前と言えば、営業を取り巻く状況としてこんなことがよく見られました。
・営業マンは日中、客先訪問などで外出が多く、帰社後に業務報告などで追われている。
・顧客の管理はExcelでやっている。
・提出資料(提案書など)は社内で共有せず、営業マン個人が抱え込む。
・進行中の案件状況は担当営業マンの脳内にある。
・マネージャーは毎週の定例会議などで案件状況や部下の活動状況を知る。
・営業成果を上げるため、マネージャーは「叱咤激励(という名の圧)」「気合いと根性を説く」を部下にする。
挙げだすとキリがないのですが、まとめるとこんな感じかと思います。
→ 営業マンは報告業務などに余計な時間を費やしている。
→ 情報は営業マンが握ってしまっている。
→ マネージャーはリアルタイムに状況を把握していない。
→ マネージャーの管理方法が昭和。
少し大袈裟なように見えるかもしれませんが、実際の現場あるあるです。
で、CRMを導入するとこれらのほとんどが解決へと導かれるわけですが、そのためには以下をやらなければなりません。
①営業マンは外出先からでも社内に共有すべき情報をCRMに入力する。
②マネージャーは部下からの報告内容を随時チェックする。
言い換えれば①、②をやれば営業マンそれぞれが持っていた情報はCRMを見れば社内全体で共有できますし、マネージャーもいちいち定例会議などを待たずしても案件の状況などはリアルタイムで把握することが可能です。
そうなると営業の効率も上がるし(売上UPにも繋がるし)、CRMを導入すればやっぱり効果はある!となるわけですが(詳しく話出すとかなり長くなるので今回は割愛しますが、CRMがもたらす効果は営業だけでなくバックオフィス業務や製造業務など社内のあらゆる部門の業務効率化に繋がりますし、分析や統計なども駆使することで営業効率が格段に飛躍する可能性もあります。)果たしてそんなうまくいくものでしょうか・・・?
CRM導入後、現場ではどういうことが起きるのか?
少し話は逸れますが、その昔CRMと言えば導入に○億かかるとか大変高価なものでした。(ゆえに資本力のある大企業などで導入されるが、中小企業などではほとんど導入されない)
それから時を経て安価なパッケージ製品が次々と世の中に生まれ、中小企業でも導入可能となり、今となっては数多くの企業が導入しています。
(個人的には「SalesForce」が日本にやってきて、CRM(SFA)というものを市場に浸透させるのに一役買ったなあと思います。)
ですが、CRM導入に失敗したというケースは案外珍しくありません。
(「CRM 失敗」とかでググれば、結構色んな記事が出てきます。)
なぜ失敗するのかと言えば、もちろん会社ごとの個別の事情なんかもあるでしょうから、一概にこれと言えるわけではありませんが、以下のようなことはよく耳にします。(これがCRM導入後、現場で起きることになるわけです。)
・営業マンは情報を入力したくなくても「やらされ感」で入力する。(面倒がる)
・営業マンはマネージャーが喜ぶ情報を入力したがる。
・受注確度なんかは営業マンの個人的感覚で入力する。
・マネージャーはリアルタイムに状況を把握しても、部下には「叱咤激励(という名の圧)
」「気合いと根性を説く」は変わらない。
まとめ(結局、どうすればいいの?)
いくらパッケージ製品が増えてCRMを安価に導入できるとなったとは言え、それでも会社の規模やCRMを利用する業務範囲などによって、それなりの投資になります。
なのに導入して、挙句失敗して・・・では投資が無駄になってしまいます。
なのでCRMをこれから導入したいとお考えの方には是非覚えておいていただきたいことがあります。
それは・・・
1.CRMを導入するのは手段であって目的ではない。
2.CRMを導入しただけでは効果は発揮しない。
3.CRMを導入したがるのは上層部に多く、現場では面倒がられる。
CRMの領域となる顧客管理、案件管理、営業管理などなどは本来会社ごとにスタイルも違うし、課題も違うし、やりたいことも違ったりするので、やはり導入に際しては解決すべき課題を明確にして(目的をきっちり定めて)、あるべき姿を描いて、その上で自社の業務とシステムをどう共存させるかなどしっかり考えないと失敗するリスクが高まります。
(パッケージ製品の機能に合わせて業務を変えたりするケースも多く見受けられますが、これで業務効率が下がっては何の意味もありません。)
一方で営業マンはこれまで培った営業スタイルなどがあったりするので、CRMは形を変えた報告用システムと捉えがちです。
なのでやはり大事なことは導入前に社内で「なぜCRMを導入するのか」「CRMを導入することで現場にはどういうメリットが生まれるのか」「CRM導入後の情報共有、マネジメントはどう変わるのか」など、事前に情報をしっかりと共有して全社での納得感を高めてから導入することが求められます。
(CRM導入を機に気合いと根性論からの脱却も必要ですね)
1.CRMは「業務のあり方を定め、それに見合うシステム要件定義」きっちりとやるべし
2.CRMは「社内全体でその必要性と導入後のあるべき姿」を共有するべし
雑談
長く住んでいた東京(自宅は川崎ですが)を離れ、今は神戸で仕事しています。
もともと関西出身なので特に違和感もなく過ごせているのですが、大阪、奈良に住んでいた私からすると、もちろん神戸にも何度も訪れたものの、普段はそうそう神戸に行く用事もなかったので同じ関西でも随分違うことに今さらですが気づかされました。
市内中心部と海と山が近接してるのも関西では神戸ならではって感じがするし、また異国情緒もあるし、少し足を延ばせば甲子園もあるし(個人的趣味です)決して広い街ではないのですが、色んなものが詰め込まれたいい街だと実感しています。
神戸の人は地元愛が強いのもなんか分かる気がするなあ。(といってもまだまだ神戸のことを分かってないのですが)
しばらくは神戸に滞在するので、休日などは少し街を探索してみようかと思ってます。(感染対策はしっかりして。)
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